当サークルが少人数規模のグループにこだわっているのには、いくつかの理由があります。
サークル代表がメンバー1人1人のことを理解するため
登山は時に危険が伴うアクティビティです。そのため、サークル代表自身が一緒に行動するメンバーのことをきちんと理解しておきたいと考えています。その人の体力・登山経験はどれくらいなのか、どんな性格か、どんな山に登りたいと思っているのか、どんな山が苦手なのかなどを理解し、その上で今後のサークル計画を一緒に考えていきたいと思っています。こうした思いから、サークル代表の理解が及ぶ範囲の人数規模のグループに留めたいと考えています。
大規模なサークルには様々な人と出会える魅力があると思います。その一方で、サークル内の幽霊部員が多く、毎回の登山で参加者が初対面の人ばかりで、それ以降会うことはなく、その場限りの関係となってしまうことも多いと思います。そうしたサークルでは、サークル内の中心メンバーを除いては、人間関係が希薄になりがちです。そして、お互いのことを良く理解しないまま、難易度の高い山や泊まりの登山に行くことはリスクが高い行動だと思います。
当サークルでは、実際のサークル活動を通じて、サークル代表自らが初参加の方と対面した上で、グループに加わって頂くようにしています。また、初めてサークル活動に参加する方にはまずは軽めの日帰り登山から参加して頂くようにしています。たとえ登山経験者の方でも、初参加の際には、泊まりの山行・難易度の高い山行へのご参加はお断りしています。お互いのことを理解した上で、一緒に難しい山に挑戦するようにしていきましょう。

リスクマネジメントの観点から
リスクマネジメントの観点から、当サークルでは、毎回の登山計画の参加人数の上限を適切に定めています。当サークルではツアー登山は行っておらず、あくまで自主登山ではありますが、ガイドレシオも参考にしながら人数を設定しています。参加するメンバーの能力や経験次第では、ガイドレシオよりも少ない人数に制限することもあります。
過去の遭難事例を参考にしてみても、パーティーの人数が増えてくると、一人一人のリスク意識が薄れてしまいがちになる傾向があると考えられています。大規模なサークルでは、ときには数十名以上の人数でパーティーを組んで登山に行くようなケースもあると聞きます。そのような場合、どうしてもツアー型の登山になってしまいがちで、参加者一人一人が「山に連れて行ってもらう」という認識に陥ってしまい、登山内容について自分でよく調べずに理解しないまま参加する人も出てくると思います。
当サークルでは、活動指針にも定めている通り、一人一人のメンバーがリスクマネジメントに努めるように心がけてもらっています。参加者一人一人が「対等な関係で一緒に山に登る」という意識をもって登山に臨めるように、毎回の活動の人数は増やしすぎないようにしています(仮に、車出しができる人が複数いたとしても、参加人数の上限を増やさないこともあります)。

みんなの意見・希望を聞くように努めています。
当サークルでは、主にサークルメンバーの意見・希望を聞きながら、今後の活動内容を決めています。サークル内のメンバー数が増えすぎると、一人一人が意見を言いづらくなったりして、みんなの意見を聞くことが困難になってしまうと考えています。そのため、サークル代表が全員の意見に耳を傾けられる範囲の人数規模のグループに留めたいと思っています。
こうした運営スタイルのため、希望や意見を言わない受動的な参加姿勢のメンバーばかりが増えてしまうと、新規の活動計画が挙がらなくなってしまいます。そのため、活動指針にも定めていますが、当サークルでは、能動的にサークル活動に参加できる方にご入会していただくようにしています。みんなで活発に意見を交換しながら、一緒に活動予定を立てられるようなグループでありたいと思っています。
また、メンバー数が増えすぎてしまうと、一人一人の希望する山に行ける機会が減ってしまったり、人気の山へ行く計画を立てるとすぐに満員になってしまったりしてしまって、希望する山に行けないメンバーが増えてしまうことが考えられます。一人一人の満足度を下げないためにも、メンバー数を増やしすぎないように、常にメンバーの参加頻度などを確認しながら新規メンバーの募集規模は調整しています。

フットワーク軽く、臨機応変に対応
当サークルでは、計画していた山の天気が悪くなった場合、代わりの行き先を検討することがあります。また、当日の天気が大気不安定で午後から急変しそうな際には、余裕をもって出発時間を早める対応をとることもあります。このように、状況に応じてフットワーク軽く臨機応変に対応できるのは、少人数規模のグループならではの特徴だと考えています。日頃からメンバーとコミュニケーションをとって行きたい山の希望を聞くように努めているため、いざというときにもスムーズに行き先変更を行えていると思います。
